山のアワビとは超肉厚「原木しいたけ」のこと! 「菌床しいたけ」との違いとは
『山のアワビ』とは超肉厚の『原木しいたけ』のことを言います。
肉厚な原木しいたけのコリコリとした食感と芳醇な香りが、まるでアワビのようだと言うことで『山のアワビ』と称されています。
『山のアワビ』として有名な食べ方は、『しいたけの刺身』です。
乾燥しいたけによる山のアワビの刺身の作り方
乾燥しいたけを『山のアワビ』として刺身のように食べる方法を紹介します。
使用する椎茸は、超肉厚の『原木しいたけ』選んでください。
(椎茸の種類についてはあとの項目で説明します)
一般には、しいたけと言うと『生しいたけ』を連想して、『乾しいたけ』はあんまり食べませんよね?
でも乾しいたけのほうが旨みも多く、食感もしっかり、しっとりなんです。
しかも超肉厚の品種が、アワビの食感を生むのです。
さらに超肉厚の乾しいたけは、旨み成分のグアニルの含有量が多いといわれています。
乾燥椎茸を水で戻す
超肉厚の乾燥椎茸を戻すには、かなり時間がかかります。
最初に、ホコリを取る程度に簡単に水洗いをしましょう。
その後、椎茸がひたひたになる程度の水に浸します。
目安としては、一般的な冬枯(どんこ)しいたけ3個分で200cc以上。
冷水でじっくり戻したほうが風味が良いので、冷蔵庫の中で12時間以上置いときます。
大型の肉厚の品種では、一昼夜(24時間)以上浸したほうが安全です。
できれば、戻し水の中に昆布を一緒に入れてください。
このしいたけを昆布といっしょに水戻しすることで、昆布の旨みグルタミン酸との相乗効果で、もっとおいしくなるのです。
冷蔵庫使用が困難であれば、室温でも構いませんが、水温が25℃以上になると酵素の働きで酸味や苦味が出るので、夏場は冷蔵庫必須と考えてください。
乾燥しいたけのもどし汁はもったいないから捨てないでくださいね。
うま味成分、エリタデニンやビタミンなど椎茸の成分がもどし汁の中に溶出しているのです。
煮物の出し汁、スープやみそ汁、すましの出し汁に加えて使えば、とても良い味を演出してくれますよ。
蒸し器で20分ほど蒸す
水で戻して柔くなった椎茸の柄の部分をカットして、傘の部分だけを使います。
柄の部分をカットして傘の部分だけになった椎茸を、蒸し器で20~30分間蒸します。
(簡単に済ませるなら、電子レンジで3分加熱でも代用できます)
蒸すことによって、乾燥椎茸独特の匂いが薄れるので、電子レンジよりも蒸したほうが断然美味しいです。
しいたけ独特の匂いが苦手という方もいらっしゃいますが、蒸すことでかなり軽減されますので、ぜひ試してください。
冷蔵庫で冷やす
蒸し終えたら、20分ほど冷まして粗熱を取ってから、厚めの刺身のようにスライスします。
大根や大葉などのツマを添えて、お皿に盛り付けます。
その後、特に温度が決まっているわけではありませんが、刺身は冷たいほうが美味しいので、冷蔵庫で適温になるまで冷やしてください。
刺身醤油で召し上がってください
好みで塩やポン酢などで召し上がる方もいらっしゃいますが、管理人のおすすめは、オーソドックスなワサビ醤油です。
適量のワサビ醤油をつけて、山のアワビの食感をお楽しみください。
山のアワビなら椎茸を選ぶ必要があります
山のアワビとして食べる椎茸は、なんでも良いというわけにはいきません。
一般的にスーパーで販売されているような普通の椎茸ではなく、椎茸の中でも超肉厚の『原木しいたけ』でなければなりません。
ん、『原木しいたけ』ってなんだ?
『原木しいたけ』については、あとの項目で詳しく説明していますのでご覧くださいね。
しいたけの品種とは
お米の品種として、コシヒカリとか、ゆめぴりかなどの品種があるように、しいたけについても品種があるのです。
しいたけは種菌として、いろいろな形状(種駒、オガ菌、形成菌)で販売されています。
しいたけの種菌を製造しているメーカーは大手が4社ほどとその他のメーカーがあります。
下の図は、大手のひとつである一般財団法人日本きのこセンターが開発した椎茸カタログの抜粋です。
日本きのこセンターは、菌類の分類や基礎研究から優良品種の開発、応用研究にいたるまで幅広く取り組むきのこ関係では我国唯一の民間学術研究機関です。
山のアワビは、菌興115に限る
『菌興115』(きんこうイチイチゴ)は、日本きのこセンターが開発した鳥取生まれの代表品種の肉厚なしいたけです。
きのこセンターのどの品種よりも肉厚・大型になり、機能性成分も多く含まれた美味しい椎茸です。 各地で、『ジャンボしいたけ』の名称で販売されている大きな椎茸は、菌興115を採用しているケースが非常に多いのです。
それだけ人気があるということは、味も品質も折り紙つきということですね。
有名なところでは、次のようなブランドがあります。
- 鳥取県の『鳥取茸王(たけおう)』
- 石川県の『のとてまり』
- 岡山県の『まにわジャンボ』
- 広島県の『広島ジャンボ』
- 福井県の『香福茸』
鳥取県の『鳥取茸王(たけおう)』
鳥取県で栽培されているジャンボ椎茸が『とっとり115』でその中でも特に大きいのが『鳥取茸王』の名前を戴けるのです。
肉厚が2.5cm以上で、傘の直径が8cm以上の超大型の椎茸ですが、しいたけ栽培の名人でも栽培数の1割り程度しか収穫できないほどの貴重な椎茸なのです。
石川県の『のとてまり』
同じく菌興115を使用したジャンボしいたけが『のと115』です。
その中のかさの直径が8cm以上、かさの厚みは3cm以上の最上品は『のとてまり』と呼ばれており、6~8個入りで5,000円以上もする超高級品としてごく一部の高級料亭などで取り扱われています。
「山のアワビ」とも呼ばれ、香りや風味が良く、肉厚で歯切れの良い食感が魅力で、傘はもちろん軸まで美味しく食べられます。
岡山県の『まにわジャンボ』
これまた、菌興115を使用したジャンボ椎茸です。
岡山県真庭市のJAまにわの「ジャンボしいたけ生産グループ」が作るジャンボシイタケです。
ジャンボしいたけ生産グループでは3戸の農家が栽培を行っています。
シイタケが500円玉程度の大きさに成長したら、ひとつ一つに保湿用のシートを手作業でかぶせて、手間をかけて大きく育てます。
バター焼きにして食べると、まるでアワビのステーキのようです。
広島県の『広島ジャンボ』
肉厚で「ジャンボ椎茸」としても全国でブランド化され、量販店ではほとんど手に入らない貴重な品種の椎茸です。
「115号」は噛みしめると芳醇な旨みが口いっぱいに広がり、原木椎茸本来の味を十二分に味わって頂けるはずです。
また、そのムッチリとした食べごたえは、まさに「山のあわび」と呼んでも良いような肉の厚さを実感して頂けることと思います。
出典:https://www.k-siitake.com/business/kodawari-saibai/115/
福井県の『香福茸』
都道府県別幸福度ランキング日本一の福井県。
食べた人が幸せになるようなしいたけを栽培したいとの思いを込めて、名付けました。
一般のしいたけと断面を比べてみると『香福茸』はこんなに大きいのです。
それもそのはずで、次のような厳しい基準をクリアした菌興115だけが厳選されているからです。
- 福井県産の原木栽培しいたけ
- 傘の直径8センチ以上
- 肉の厚み3センチ以上
- 傘の巻き込み1センチ以上
しいたけ栽培の2つの方法 『原木しいたけ』と『菌床しいたけ』
しいたけの栽培法には、2つの方法があります。
それが『原木しいたけ』と『菌床しいたけ』なのです。
『原木』と『菌床』は見た目では分かりませんが、栽培方法も味も違いますので、農林水産省の統計でも別扱いにされているのです。
その証拠に、販売されているしいたけの表示を確認してください。
生椎茸でも乾燥椎茸でも、必ず『原木』か『菌床』かの表示がありますら。
では、最初に一般的な『菌床しいたけ』の説明をしましょう。
『菌床しいたけ』の栽培方法
スーパーなどに普通に出回っているのが、安くて大量生産が可能な『菌床しいたけ』です。
きのこの培地とも言える菌床を作って、しいたけ菌株を植え付けて、温度・湿度の環境を整えた屋内工場で培養します。
生産効率がよくて安価な『菌床しいたけ』消費量の9割を占めるとされているのです。
まず菌床を作る
最初に椎茸を培養するための菌床を作ります。
おがくずに水と栄養剤を混合して20センチ角程度の四角いブロックの形に固めます。
このブロックを殺菌処理をして一旦無菌状態にしてから、しいたけ菌株を接種して植えつけます。
空調管理された工場で培養する
このブロックを、温度と湿度の空調管理をした工場の中で培養して、90日ほどで収穫できます。
おがくずを固めたブロックだから内部に適度な隙間があるので、椎茸の菌株がよく育ちます。
棚に並んだ菌床ブロックから椎茸がにょきにょきと発生している様子を見ると、まさに工場生産品と言って良いと思います。
ブロックの整形から、空調管理された室内での栽培が、全て人間の手によって人工的に管理運営されているので、季節の影響を受けずに通年の栽培が可能です。
また、菌床ブロックは2kg程度で扱いやすく、形が均一なので棚に並べて高密度の栽培ができます。
しかも、最初に菌床ブロックの殺菌処理をしているので、しいたけ菌株にとって外敵がいない状況だし、豊富な栄養剤を与えているので高い収穫量が得られます。
まさに、経営効率を考えれば、理想的な椎茸栽培技術と言える栽培方法が『菌床しいたけ』なのです。
一般的に販売されている椎茸は、中国からの輸入品を含めて殆ど(9割)が菌床しいたけと言えるのです。
『原木しいたけ』の栽培方法
菌床しいたけと比べると、誠に非効率的な栽培方法に見えると思います。
手間がかかる上に、収穫までの期間が2年もかかるし、原木の取扱が重労働で天候に左右されるし、収穫率は低いし、効率面から見るとまったく良いことがありません。
後継者がいないという問題は、農業全般の問題ですが、『原木しいたけ』についても大きな問題になっています。
では、原木しいたけの栽培手順を見てみましょう。
原木伐採から榾木(ほたぎ)の培養までは、宮崎県諸塚村の伊藤さんの動画から画像を拝借しました。
原木の伐採作業
しいたけ培養のベースとなる原木を伐採します。
原木には、樹齢20年から30年程度のクヌギやコナラなどの落葉樹が使われます。
カブトムシやクワガタが寄ってくる落葉樹が原木しいたけ栽培に適しています。
特に適しているのが、クヌギ、コナラで、他にもアベマキ、ナラガシワ、シデ、カ シなど、どんぐりが成る木が使用されます。
伐採した原木は、葉が付いたまま倒して1ヶ月ほど放置して乾燥させます。
原木の玉切り作業
伐採から1ヶ月ほど過ぎてから、培養木として扱いやすい長さに切りそろえます。
これを『玉切り』といいます。
一般的な原木しいたけ栽培では、1~1.5メートルに切ります。
伊藤さんの家では1.1mに計測してカットします。
玉切りをした原木は、そのまま2ヶ月ほど放置しておきます。
玉切りをした原木でも、すべてが使えるわけではありません。
年輪があまり詰まっておらず、年輪間隔が開いている樹木が、内部にシイタケ菌が広がりやすいので適しているのです。
また途中に枝分かれしたフシがあると、そこから雑菌が入りやすいので使えません。
伊藤さんの家では、原木の伐採から玉切りまで自分で実施していますが、しいたけ栽培生産者の中には、玉切り済みの榾木(ほだ木)を毎年購入する方法を採用している家もあります。
駒打ち作業
玉切り作業から2ヶ月ほど過ぎてから、駒打ち作業をします。
駒打ちとは、シイタケ菌を染み込ませた種駒を原木に打ち込む作業です。
種駒は、直径8mmほどの栓のような形をしており、しいたけ菌が染み込ませてあります。
この種駒を、ドリルで開けた穴に挿し込んでハンマーでトントンと叩いて打ち込むのです。
10月下旬の伐採から3ヶ月後なので、駒打ち作業は、1月~2月の真冬の作業になります。
駒打ちを終えたら、ひと月ほどそのまま放置して種菌を馴染ませます。
仮伏せ作業
駒打ちをして放置しておいた原木を集めて並べます。
駒打ちが1月の作業なので、仮伏せはそのひと月後ですから2月の作業になります。
重機が使えない山中での作業なので、真冬の寒い中で大変な重労働です。
強い日差しを避けて風通しが良く、乾燥しすぎないように保湿管理をして、3~4ヶ月このまま放置して、次工程の『本伏せ』を待ちます。
菌糸が木の中に行き渡るように十分に湿らせるために横たえておくのです。
本伏せ作業
2月の仮伏せ作業の後、3~4ヶ月過ぎて梅雨が来る前の6月ころに、本伏せ作業をします。
本伏せは、シイタケ菌培養態勢を整える最後の作業になります。
本伏せ作業の後、来年の秋までこのままの態勢でシイタケ菌の成長を待つのです。
伊藤さんの方法では、榾(ほだ)木を立てて並べていますが、井桁に組むやり方もあります。
いずれにしても、風通しを良くしてあげるのです。
収穫はここから1年半後ですから、原木伐採から収穫まで丸2年もかかってしまいますが、美味しい椎茸が成長するためには必要な時間なのです。
椎茸の生産者の中には、榾木の温度や湿度を管理することによって、本伏せの期間を短縮して1年ほどで収穫する手法を採っている農家もあります。
榾場(ほだば)への移動
榾木の内部で成長した菌株から椎茸を発生(発芽)させて収穫するのが榾場(ほだば)です。
発音は『ほた場』で『ほだ場』でもどちらでも構いません。
本伏せ作業から1年半が過ぎた11月ごろ、本伏せの場所から榾場に移動して、成長した椎茸が収穫しやすいように、斜めに立て掛けて立てて並べます。
榾場に運んだ原木の内部には、椎茸が発生する状態まで菌株が成長しています。
発生しやすい環境を整えてあげれば、にょきにょきとたくさん生えてきます。
椎茸の収穫
椎茸の収穫については、伊藤さんのシリーズではこの時点でまだ動画が公開されていないので、別の収穫画像を紹介します。
収穫時期は、12月から3~4月までです。
椎茸は雨に当たると黒く変色してしまうので、成長しそうな椎茸には一個ずつ袋をかぶせて色や形を保持するための品質管理をする農家さんもあります。(下図)
椎茸の傘が開いたときが収穫の目安で、手で椎茸の根本を握って、原木の付け根からポッキンと折るように収穫します。
また、一度駒打ちをしてシイタケ菌を植え付けた榾木は、きちんと管理すれば3年ほど収穫できます。
乾燥作業
『原木しいたけ』は『生しいたけ』として出荷される製品もありますが、収穫したあとで乾燥して、『乾燥しいたけ』に加工してして出荷される製品が多いのです。
乾燥には、天日干しと乾燥機を使う方法があり、両者を併用した中間の乾燥方法もあります。
商品として流通しているのは、乾燥機を使用した製品が多いです。
生椎茸は日持ちがしないので季節商品になってしまいますが、乾燥すれば、通年を通しての商品なので、椎茸生産者の経営的には安定した商材です。
椎茸を乾燥することによって、旨味が濃縮されてとても美味しくなります。
乾燥シイタケは、品質によって高級品の『冬枯』(どんこ)と汎用品の『香信』(こうしん)に分けられます。
『どんこ』と『こうしん』は椎茸の品種ではありません。
生育状態で品質が変わるので、見分けるために別の名前が付けられているのです。
冬枯(どんこ)は、寒い時期にゆっくり成長して肉厚なのが特徴で、傘が開ききらない状態で収穫して乾燥させた製品です。
椎茸そのものを味わう煮物やお吸い物に利用します。
肉厚で味が濃く、とても美味しいのですが、栽培に時間がかかるため収穫効率が低いので、高級品になります。
香信(こうしん)は、冬枯よりも気温が高い条件で速く成長する状況で栽培された椎茸で、肉厚が薄く、傘が大きく開いた状態で収穫して乾燥させた商品です。
価格が冬枯よりも安いので他の食材との調和させて、ちらし寿司や炒めものに向いています。
『原木しいたけ』と『菌床しいたけ』の違い
下に、原木しいたけと菌床しいたけの特徴を文章にしましたが、まったく対比する内容になってしまいました。
多少、意図的ではありますが(笑)
原木しいたけ
自然の環境で、樹木の栄養分だけでじっくり育てられます。
成長速度は遅く、収穫までの時間が2年間と長いです。
樹木の伐採やほだ木の移動が重労働で、管理が大変です。
収穫効率が低く、人件費や土地代などの管理費用がかかるので、生産コストが高いです。
味は絶品で、プリプリとした食感と香りは、森の風味をまるごと食べているようです。
原木しいたけは、いわば、手間ひまかけて味の芸術品を作っているようなものです。
菌床椎茸
人工的に管理された工場内で、栄養分をたっぷり与えて栽培します。
成長速度は速く、収穫までの時間が90日程度と短期間です。
菌床ブロックは軽くて扱いやすく、工場内での作業なので管理が容易です。
収穫効率が高いので、人件費や土地代などの管理費用が抑制され、生産コストが安いです。
味は汎用でしいたけの味を手軽に味わうのには有効です。
菌床しいたけは、多くの人々にしいたけを味わってもらえるように、いわば、大量生産の工業生産品としての製品といえるでしょう。
原木しいたけの県別生産量
この項の数値は、農林水産省の平成27年特用林産基礎資料『しいたけの上半期(1~6月)都道府県別生産量』に基づいています。
しいたけの生産量(平成29年1~6月)
原木しいたけの生産量=(乾燥1,716t)+(生3,736t)
菌床しいたけの生産量=(乾燥 82t)+(生28,690t)
生のしいたけは90%以上が水分です。
乾しいたけの水分は10%以下です。
生しいたけを乾燥すると重さは、生しいたけの15%程度になります。
原木しいたけの乾燥製品1,716tonは生の状態では、11,400tonですから、生しいたけとして出荷する量(3,736ton)よりも遥かに多く、全生産量の75%は乾燥しいたけに加工されるのです。
生椎茸の生産量は
原木しいたけ(生)は半年で 3,736tonで12%
菌床しいたけ(生)生産量が半年で 28,690tonで88%を占めています。
一般的に出回っている生椎茸と言えば、殆どが菌床しいたけと思って良いようです。
しかし、乾燥しいたけのみを見ると
原木しいたけ(乾)の生産量が半年で 1,716tonで95%
菌床しいたけ(乾)の生産量が半年で 82tonで5%に過ぎません。
乾しいたけは、殆どが原木しいたけだけと言っても良いような状況です。
原木しいたけの乾燥椎茸は、どんこ、こうしん、山成に分別されています。
(山成とは、無選別と言う意味ですが、一般的にはこうしんより下位の品質です)
- どんこ生産量=517ton
- こうしん生産量=934ton
- 山成生産量=264ton
原木しいたけ(乾)の県別生産量(平成29年1~6月)
- 大分 857ton
- 宮崎 290ton
- 熊本 125ton
- 愛媛 98ton
- 静岡 64ton
- 岩手 40ton
全国 1,716ton
どんこの県別生産量(平成29年1~6月)
- 大分 311ton
- 宮崎 55ton
- 静岡 36ton
- 熊本 29ton
- 岩手 19ton
- 長崎 16ton
全国 517ton
圧倒的に大分県の生産量が多いですね。
大分県で乾しいたけ生産量が多い秘密
どんこの全国生産量が517tonなので、大分県のシェアは、60%を占めています。
どんこと言えば、大分県なのです。
大分県はクヌギの樹が多く、環境も原木干ししいたけ栽培に適しているのです。
また、大分県は、しいたけ栽培発祥の地と言われています。
江戸時代初期に源兵衛さんが、炭焼き用の材木にしいたけが生えているのを発見しました。
彼は、木に鉈(なた)で傷をつける『鉈目式しいたけ栽培法』を考案し、岡藩(現在の竹田市)がしいたけ栽培を奨励して栄えたと伝えられています。