気象予報士試験の合格者数は増加しているのか減少しているのか

気象予報士

毎年2回実施されている気象予報士試験は、合格率が5%程度の難関だとして知られていますが、毎回何人くらいが合格して、全国にはどのくらいの合格者がいるのでしょうか。

気象予報士試験の管理運営をしている一般財団法人 気象業務支援センターが発表している数字をもとに調べてみました。

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気象予報士試験の毎回の合格者数は漸減している

下のグラフは、毎回の気象予報士試験合格者数を棒グラフに表したものです。

気象予報士試験は、1994年(平成6年)からスタートして、毎年2回(初年度のみ3回)実施されて、2019年10月時点で第52回までの試験が行われています。

合格者数の傾向がはっきり見えるように、オレンジ色のラインで試験5回毎の平均合格者数を示しました。

こうしてみると、最初の5回だけ特別に合格者数が多くて、一旦減少し、その後15回あたりから回復して、更に36回目から急減したまま戻らない図式になっています。

この背景の理屈は明らかです。

最初の5年間は、気象を生業としていた専門家たちが、新しくできた資格をとって、ハクをつけようと集中して受けたのです。

そのため、後々の回と比べても受験者のレベルが高いので、合格率も高いし合格者数も多いのです。
1回目、2回目で運悪く落とされてしまった専門家が、本気になってリベンジしたので4回目までは好成績でした。

お天気キャスターの森田正光さんが1回目の試験に落ちて、2回目で合格したのは当時ずいぶん騒がれた有名な事件でした。

その後、第6回から第12回までの4年間ほどは合格者が減少します。
この時期は、気象予報士受験のための専門書が殆どなかったので、一般の人が勉強をする手段が少なかったのだろうと思います。

第15回試験(2001年)あたりから合格者数が増えてきますが、この時期から気象予報士受験対策の専門書が店頭に並び始めた時期だろうと思います。

また、目新しい資格ということで、手に職をつけるためとして、多くの若者がチャレンジして、35回試験(2011年)頃までは、毎回250人前後の合格者がありました。
簡潔に言うと、この当時は『稼げる資格』あるいは『食っていける資格』だと認識されていたようです。

その後、合格者が減ってしまい、最近では150人を割り込み、毎回130人レベルまで大きく減少しています。

この理由も明確です。
気象予報士が稼げる資格ではないことに多くの人々が気がついたのです。
その結果、夢を追う一定の需要はあるものの、趣味の資格に近い一面を見せ始めたのです。

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気象予報士試験合格者数の累積数はやっと1万人を超えたところ

毎回の合格者数が漸減して、毎回150人を割り込んだことは上記の通りですが、累積合格者数はどのくらいいるのでしょうか。

これも、同じ形式のグラフで示しました。


棒グラフは、上の図と一緒で毎回の合格者数です。
折れ線グラフが、累積合格者数を示しています。
数値がわかるように、10回目の試験ごとの累積合格者数を提示しました。

第47回試験(2017年1月)にやっと1万人を超えて10,108人になり、52回試験を終了した時点で10,841人になっています。

実際に気象予報士の登録をしている人はもっと少ないし、初回試験(1994年9月)から25年経過しているので、高齢合格者の中にはお亡くなりになった方もいらっしゃるはずですから、気象予報士の実数は、1万人を割り込んで7~8,000人程度ではないと見込まれています。

この数字は、他の国家資格と比べて多いのでしょうか少ないのでしょうか。

他の国家資格の人数を調べてみました。
(25年の個人登録者数)

  • 税理士 約74千人
  • 行政書士 約43千人
  • 社会保険労務士 約38千人
  • 弁護士 約34千人
  • 公認会計士 約25千人
  • 司法書士 約21千人
  • 土地家屋調査士 17千人
  • 弁理士 約10千人
  • 不動産鑑定士 約6千人

他の華々しい国家資格の士業と比べると、気象予報士は少ないですね。それだけ社会的需要が少ないということなのでしょう。

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